吃音(どもり)ネタを貼ってくブログ

コミュニケーションは、話し手と聞き手、つまり「あなた」と「わたし」とで成り立っており、吃音はその障害です

「吃音質問紙」の衝撃

吃音質問紙」の衝撃

今度の学会で発表される都筑教授の本を読んだ。
本にも書いてあったけど今の所「異端」な考え方で。

吃音は治せる (有効率74%のメンタルトレーニング (ビタミン文庫シリーズ))

吃音は治せる (有効率74%のメンタルトレーニング (ビタミン文庫シリーズ))


色々思う所ある本でした。

「はじめに」に書かれていますがこの本は
○「吃音年表のメンタルリハーサル法」とはどういうものか
○「幼児や学童に対する環境調整法」について一般の人に知ってほしいポイント
について書かれています

なのでこの本を読んだだけでは本のタイトル通りにはならないと自分は思う。
本文にも「言語聴覚士の指導」と明記されています。

でも幼児期、保護者が気になるけど近くに言語聴覚士がいない場合
書いてある「環境調整法」を実践する事で吃音の緩和が期待できるかもって思いました。

第1第2章の図表や吃音の重さ軽さの区切り方が凄く納得できたので後日紹介したいと思う。
第3章はやり方(カウンセリング)の考え方、方法論が書いてあるが素人には無理でエッセンスのみ。色々厳しい。言語聴覚士と親(幼稚園学校も?)の環境調整とタッグを組んで緩和を目指す。
第4章は吃音克服までの経過を数例
付録として
・「この方法で吃音克服を目指してる言語聴覚士がいる病院一覧」
・「吃音質問紙」

第4章
が軽度の吃音持ちへのメッセージかも(そのままでいんでね?)って思ったりしたが。

本にある「吃音質問紙」は幼児期の吃音に対する環境調整法に関連する質問を抜粋改変したもの。
吃音持ち本人の過去の状態を聴取するもので、これを元に吃音の重い軽いを判定し、カウンセリング方法を決定するものです。
本書に紹介されてるのは、大分類として「言語環境」「心理(養育)環境」「吃音以外の問題(記憶にある範囲で)」「語音、発話などの注目や工夫(この項目から原則として現在の情報)」となっています。

本書では「吃音のテクニックは吃音を悪化させるもので悪」とし、「発話訓練も意味が無いので悪」とされています。
そのため、「吃音質問紙」は「吃音のテクニック集」的な感じがしました。

逆説的ですが、
この本で言う第4層(吃音による回避行動が伴う)吃音持ちにはこういう方法を使えば声が出せるかも。
それにあてはまりそうな箇所を抜粋して書き出します

159,160ページ抜粋
1.発話への干渉
(7)らくな話し方を教えられた、または練習させられた(工夫)
・「う~ん」「え~と」などを最初につけるように教えられた
・息を吸ってから話すように教えられた
・力を抜いて話すとよいと教えられた
・落ち着いて話すとよいと教えられた
・ゆっくり話すとよいと教えられた
・頭の中で考えてから話しなさいと教えられた
・腕の(体の一部)を動かしながら話すとよいと教えられた
・おなかに力を入れて話すとよいと教えられた
・息を吐くときに話すとよいと教えられた(練習させられたとき)
・あせらないでいえばよいと教えられた
・勢いをつけてしゃべればよいと教えられた

181、182ページ抜粋。読んでて悲しくなったので全部書かない。(1)~(42)まで連番で記載されています。
2.工夫(構音運動・発話の人為的コントロールまたは助走、解除反応、延期、回避)
(1)発話中に舌、口、呼吸器官の動きを意識的に行おうとする(発声発語器官を人為的に動かそうとする)
(2)発話中に口を意図的に大きく動かし話す
(3)口の形を自分がいいやすいよう工夫する
(4)口を大きく開けて話す
(26)言葉がつまって出ないときに意識的に一時止めて再度話し始める
(27)言葉がつまると姿勢を意識的に変える(注意の転換)
(41)発話前に不安が強くなるといろいろさわって不安を鎮める
(42)どもったときにどもってないと自分に言い聞かせる


この本にも吃音持ちになっちゃうのは「遺伝的素因(体質)」に「環境的要因」が加わるからではないかと書かれています。
なので、吃音体質でも環境で吃音持ちにならない、吃音持ちになってしまっても改善するはずだってのが理論のようです。

んで「環境的要因」とは何かも書いてあります。
吃音児童を持つ親としてはとっても辛い事でした。


気持ちの整理ができたら書きます。
正直、妻に読ませるかどうか悩んでいます。